スペシャルインタビュー vol.3 成城大学映画研究部

果てない空インタビューcamera
このブログでは有名無名問わず高い志を持った方々のインタビューも掲載していきます。
第3回目は成城大学映画研究部。こちらの映画研究部は大学生ながら自ら映画祭を立ち上げ、企画・運営されています。その映画祭も今年で8年目になるそう。かなり大規模な映画祭をどうやって学生だけで作りあげているのか、また自らも映画を作っているその舞台裏などもお届けします。

 

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  第3回 成城大学映画研究部
成城大学の学生で作られた映画研究部。現在の部員は60人ほど。8年前より独自で「成城映画祭」を開催。OBには中村義洋監督(「チームバチスタの栄光」「映画 怪物くん」)田中誠監督(「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」)、熊澤尚人監督(「虹の女神」「おとなり」「君に届け」)などがおり、日本映画界をリードする若手監督を多数輩出している。

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成城大学で開催されている今年で8回目になる映画祭。年に1度日本全国から自主制作映画を募集し、コンペティション形式でグランプリを決める。ここから未来の日本映画界を担う逸材が生まれる場として注目されている。

    日時 2011年 12月18日(日)

    12時会場 12時半開演

    場所 成城大学7号館4階007教室

    入場料 前売り券 200円 当日券 300円

 

今年の成城映画祭で上映されるのはこの4作品ですshine

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「素人でも気持ちがあれば、楽しくいい映画が撮れるんです。」

 

ーまず、どうして学生だけで映画祭を開催しようと思ったのか、そのいきさつを教えて下さい。

「もともと映画研究部で年3回、定期上映会というのをやってたのですが、それは5人もいればできてしまう規模のものでした。でもこれだけ部員が増えてしまうと仕事が割り振れない部員がでてきてしまって…。居場所がない部員がでてくるんじゃないかということで、部員全員が携われる大きなイベントをしよう!ということで始まりました。」

ー今年は日本国内から自主制作映画が70作品も送られてきたそうですが、最初からそんな大きなイベントだったのですか?

「最初は知名度もなかったし、規模も小さかったと思いますね。」

ーこの8年の間にお客さんは増えていきましたか?

「それがそうでもないんです。ここ3年くらい同じくらいの入場者数ですね…。毎年大赤字です。」

ー赤字だと今年はやらないという選択肢もあると思いますが?

「毎年人が入れ替わるので、今年は開催するかしないかという話し合いは行われますね。実を言うと8回目までよく持ったなっていうのが正直なところで。」

ー来年は開催しないかもしれないということもありえるんですか?

「それは該当する学年の部員が決めることなので何とも言えないですね。」

ー映画祭で上映する作品はどうやって決めるんですか?

「たくさんの自主映画が送られてくるんですが、これは自主制作の映画の中でもいいなって思うものや、心惹かれるものをどんどん残していって最終的に5本選びます。それを部員全員に見てもらってどれを上映するか決めました。」IMG_1088.JPGのサムネール画像

ーそれを審査員の方に見てもらってグランプリが決まるのですか?

「そうですね。それと来ていただいたお客さんが決める観客賞もあります。」

ーこの映画祭にはたくさんの映画が送られてくると思うのですが最終的に4つに絞るのは大変じゃないですか?

「そうですね、かなり。数が多いので部員の中から選出した審査員が毎日映画を見て。今まで、部員みんなで見てたんですよ。だから1人が見る映画も少しで済んでたんですけど。今年は審査員をもうけて見よう!ってことになったのですごく大変でした。」

ーこの4つの作品が皆さんの心にひっかかったのはどこらへんなんでしょうか?

「この4作品は自主映画でしか撮れなかった作品だと思います。商業映画とは違った魅力のある…そういう作品が揃ったと思います。まず「春夏秋冬くるぐる」は細かすぎて伝わらないモノマネ選手権に出ている弾丸ジョッキーさんが主演なんです。私は「トキワ荘の青春」という映画が大好きなんですが、その映画の感じによく似ています。青春というか大学生の感じがよく描かれています。そして「壁女」は主役の女性が美人ではなく普通のだらしない女性なのですが、そんな女性のラブストーリーです。登場人物も面白いですね。短い作品なのですがちゃんと映画として成立している、とてもおもしろい作品です。「こぼれる」は、割とひとつのシュチュエーションで撮っている作品で、役者さん達の演技が特によかったかなと思います。最後の「ENCOUNTERS」は人形劇なんです。そしてアクションがメイン。サンダーバードみたいな感じですね。すごいおもしろいです。声も声優さんが1人でやってる。この作品は個人的に深夜に放送してもらいたいくらいの出来だと思いますね。」

 

ーそして映画祭だけではなく、自身で映画の製作にも取り組んでいる皆さん。ここからは自分で映画を作る楽しみや喜びそして大変なことなどを聞いてみました。

ーみなさんはどうして映画研究部に入ろうと思ったのですか?

「みんな先輩に誘われたり、もともと高校から演劇をやってたりとか色々です。だいたいが映画が好きで入った人が多いですが、実はあんまり映画見ないとか言ってた部員もいましたね…。」

ーみなさんは学生さんなので、授業などがあってお忙しいと思いますが、自主制作の映画はいつ撮っているんですか?

「土日だったり夏休みなどの長期の休みを利用して撮ってます。」

ー1本の映画を作るには、だいたいどれくらいの費用がかかるものなんですか?

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「まぁ ピンキリなんですけど…。この間撮ったのは…二桁くらいの数字いきましたけど。5万くらいですんだ作品もありますね。カメラや機材などは部にあるので、そ れを使って。かかる費用はレンタカー代だったり、食費だったり、外部の事務所に所属している俳優さんに頼めば人件費もかかります。」

ー映画のストーリーだったり題材っていうのはいつ浮かんだりするんですか?

「だいたい雑談ですね。今度こういうの撮りたいからちょっと詰めていこうってなることがほとんどです。
あとは色々悩んでいた時があったのですが、そんな時東京学生映画祭に出かけて。ゲストでいらしてた田口トモロヲさんが「映画は好きなことをやれ!コンプレックスも全部全面にだして作っていけばいいんだよ」ておっしゃっていて、その言葉に衝撃を受けて。それから自分のコンプレックスを全面に出した作品を撮り始めました。」

ーみなさんの映研の先輩が今すごい活躍されてますが、そのことについてはどう感じてらっしゃいますか?

「そこで活躍されている方って、個人個人の能力が高いので、多分この映研だったからってこともないような気がするので…なんとも言えないですね。
でも、この部に入る時に先輩にすごい監督さんがいっぱい出てる部だから、って言って勧誘されました。「君もその方たちの映画に出れるかもしれないよ!」って言われましたけど…。全然そんなことなかったです…。」

ー映画に精通している皆さんが目標にしてたり、好きな監督さんって誰ですか?

「高校の時に「リリィ・シュシュのすべて」を見て、それから岩井俊二監督の作品が好きですね。卒論でもテーマにしているんですけど、カメラワークや照明など構造分析をしてます。
あとは東映に鈴木則文監督という名物監督さんがいるんですが、藤純子さん主演の「緋牡丹博徒」シリーズや菅原文太さん主演の「トラック野郎」シリーズなど を撮った方で。その「緋牡丹博徒」シリーズが好きなので鈴木監督は好きな監督さんです。大学に入ってから邦画をよく見るようになりましたね。
あとはアニメーションだと宮崎駿監督です。キャラクターの描き方がすごい。特に女性のキャラクターがすごく魅力的だと思います。」

ー映画を作ってて一番よかったことってなんですか?

「自分が観客に感じてほしい部分の反応が返ってきた時ですかね。グロテスクな映画を作っていた時に、学園祭で流して「気持ち悪い」「なんでこんなの作るんだ!」「バカじゃないの」って言われた時が一番嬉しかったです。普通に「よかったよ」とかありきたりなことを言われることが学生の映画だと多いと思うんですけど、嫌な感情にさせようと思って作ったので、その通りの反応が返ってきたのは良かったなって思いました。」

ー逆に大変だったことは?

「みんな学生のノリなので、こっちが普通に映画館でやってる映画に負けない映画を作ろうと思ってても、ギャランティが出ないのでみんなモチベーションが低い。自発的にいいものを作ろうって思ってやってくれる仲間を探すのが難しいですね。」

ー皆さんが映画を撮る際に一番大切にしていることって何ですか?IMG_1075.JPGのサムネール画像

「自分の目線で撮らないことです。カメラマンをやることが多かったのですが、普段見ている目線で撮っても、見慣れているのでスクリーンに写った時に新鮮じゃないんですよね。だからカメラの位置を目線より低くしてお腹くらいで撮ってます。
あとは線引きを大事にしてます。監督として他のスタッフの意見も聞きますが、自分の中でゆずれない部分は絶対にゆずらない。その線引きは大事にしてます。」

ー個人でも映研としてでもいいので、みなさんのこれからの目標を教えて下さい。

「僕は4年生なんですが、就職が決まって、CM制作会社に入りました。映画からは離れてしまうのですが、やっぱり映画にはずっと携わっていたいという気持ちがあるので、休みを使って趣味で自主制作映画は続けられたらと思っています。」

 

みなさん、映画祭のこと大好きな映画のことを熱く語って下さいました。みなさん映画にかける情熱がすごいですね!この中から次の映画監督が生まれることを期待しています。

 

そしてなんと!

映画祭でこのブログを見た!というととってもいいことがあるそうです。なんなのかはまだ秘密だそうですnote
ぜひぜひ皆様も映画祭に足を運んでみてはいかがでしょうか?

 

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